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物損事故で認められる損害は?   【向日市 鍼灸整骨院】

投稿日|2018.7.20

交通事故が発生しても、自動車が損傷したり道路脇の建物などの施設が損壊されただけですむ事故もあります。
「物損事故」と呼ばれるもので、自賠責保険の適用もなく慰謝料の請求も認められません。
しかし修理費、評価損、代車使用料等の損害賠償は請求できます。

*物損事故には自賠責保険の適用がない
自賠責保険の対象は人身事故に限られており、被害が大きくても、物損事故には適用されません。
加害者側が対物保障も含めた任意保険に加入していない場合には、加害者側に損害賠償の請求をすることになります。
高級な外車が多く走っている最近では、接触したりぶつけたりして損傷を与えただけでも、極めて高額な修理費が必要となり、
個人では負担しきれない金額となる事例もありますので、自動車を所有する以上、対物保障も含めた任意保険に加入しておくべきでしょう。

*物損事故では慰謝料の請求はまったく認められない
例えば、何十年も乗り続けた愛車が事故でスクラップになって精神的苦痛が大きくても、残念ながら慰謝料はまったく認められません。

*認められる損害は、修理費や代車使用料など
◆ 全損の場合
被害車両が大破するなどして修理不能な場合、または修理費が被害車両の事故時における交換価格を上回る場合には、修理が可能であっても
全損として評価され、買った時の値段ではなく事故直後の被害車両の交換価格が賠償額とされます。被害者側では、破損した車両と同等の
車両に買い換えてもらえないかと言いたいところですが、裁判上認められていません。
交換価格の算定方法としては、オートガイド自動車価格月報や中古車市場での平均販売価格などによる同種同等の車両の購入価格を
基準にする例が多く、また、新車であっても自動車販売業者から引渡しを受けた時点で中古車扱いとされ、交換価格は低くなります。
いかに修理が可能でも、修理代の方が被害車両の交換価格を上回る場合には、被害者側で修理を希望しても保険会社は被害車両の交換価格以上の
保険金は支払ってくれません。

◆ 一部破損の場合
修理費・・・被害車両が一部破損しただけで修理が可能な場合には、原則として修理費が損害となります。
修理可能な被害車両を修理せず売却した場合には、修理代相当額か事故時の価格から売却価格を差し引いた額のうち、
どちらか低い方の額が損害となります。

評価損(格落ち)・・・修理しても、事故車として価格が減少する場合には、その減少分が評価損という損害となります。
例えば、事故直前の被害車両の価格が100万円であったのが修理後、事故車扱いとなり70万円でしかない場合、この差額の
30万円が評価損となります。
実際問題として、客観的な評価を出すことが困難ですので判例上も算定方法は決まっていません。1つの目安として、修理費の
20~30%位と考えてみて下さい。裁判上の事例をみますと、ベンツなどの高級外車では高めに認定されることもあります。
なお、弁護士の経験では、示談交渉において保険会社はこの評価損をまず認めようとはしないのが実情ですが、できるだけ交渉してみましょう。
◆ 代車使用料
被害車両が修理などで使用不能なため、代車(レンタカーやタクシー)を使用した場合には、必要かつ相当な範囲内での代車使用料が、損害として認められます。
期間は、修理や買い換えに通常要する日数として10日ないし2週間程度が一般的です。
被害車両を日曜祭日などに余暇で使用している程度であれば、代車の必要性がないと判断されることもあります。
代車は、一般的な車両のレンタル料を基準とされ、代車としての高級車の使用は認められません。

*営業車については休車補償を請求できる
営業車については、被害車両の買い換えや修理のため使用できなかった場合、この車両によって操業を継続していれば得られたであろう営業主の利益に相当する損害を請求することができます。

□ 判 例
・新車を購入して約30分後に事故にあい、車両が破損した事案で同種、同型の新車の買い換えを否定した
 裁判例があります。
・新車として販売する仮登録番号でのベンツについて、全塗装を認めず損害箇所の塗装費用しか認めなかった
 裁判例があります。

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