投稿日|2018.7.4
後遺障害が発生した場合には、後遺障害の逸失利益と慰謝料の2種類の損害賠償を請求することができ、
自賠責保険では後遺障害の等級に応じた保険料が支払われることになっています。
*自賠責基準では介護を要する後遺障害は1600万円
これは、自賠責保険の範囲内でまかなえる場合の支払基準となるものです。
この保険金額を超えた場合はその超過分が任意保険から支払われます。任意保険に加入していない場合は、
加害者側の負担となります。
自賠責保険では、後遺障害に対する逸失利益および慰謝料の合計した損害賠償として、自賠責限度額の保険金額を
決めています。ただし、後遺障害に対する金額の場合、第1級、第2級、第3級該当者で被扶養者があるときは、第1級1300万円、
第2級1128万円、第3級973万円とされています。
*弁護士会による基準では最高3100万円
弁護士会の基準には日本全国向けの「青い本」と首都圏地域向けの「赤い本」がありますが、これは、弁護士が損害賠償の請求をする際、
目安となるように作成された基準で、慰謝料に関する3つの基準の中では、高めになっています。
被害者側は、この基準で加害者側(保険会社)に損害賠償請求をすることになりますが、金額は請求の目安であって、裁判上も満額が
認められるわけではないということを理解してください。
◆ 判 例
・障害者の夫と姑の介護をしながら農業に従事する60歳の主婦に、痴呆・尿失禁等の精神障害と視力障害の併合1級の後遺障害が残り、
入通院分400万円、後遺障害分3200万円、近親者2名分580万円の合計4180万円の慰謝料を認めた例。
・胸髄以下完全麻痺の後遺障害を残す21歳の男子の大学生に、傷害分300万円、後遺障害分3000万円、父母分各250万円の合計
3800万円の慰謝料を認めた例。
・脊髄損傷による下半身麻痺の後遺障害を残す16歳の女子の高校生に、本人2600万円、父500万円の合計3100万円の慰謝料を認めた例。