投稿日|2017.8.29
腓骨神経麻痺とは、何らかの原因により神経が圧迫を受けることで足の甲の周辺にしびれ感が生じ、
足首より先が上がりにくくなる疾患です。
腓骨神経は、膝の後ろから腓骨頭(膝の外側から少し下にある骨の隆起部)の下を通って前に出てくる
ように走りますが、この部分では皮膚のすぐ下を走るので外からの圧迫を受けやすい状態にあります。
圧迫の原因には、長時間の正座や蹲踞(そんきょ)姿勢、泥酔時の不良姿勢のほか、治療中のギプスなどに
よる外側からの要因があります。また、腓骨頭周辺の骨折や軟部腫瘍などの内側からの要因もあります。
症状は、足首や足指をそらす運動が不可能となり、足先が垂れ下がった状態になります。
歩行に際しては、普通に足を上げたのではつま先が地面を離れないので、膝を高く上げるような形をとります。
また、足の甲からふくらはぎの外側周辺に感覚異常やしびれ感が生じます。
診断は上記の症状でほぼ確定できますが、さらに神経伝道速度検査(NCV)を行うことにより、腓骨神経が
どの程度障害されているかを判定することができます。
治療方法は、装具やギプスを使って足先が下がった状態にならないように関節を固定します。
ほとんどの場合が固定治療を行ってから1~2ケ月くらいで神経が元の状態に回復するので歩行や
感覚異常が改善されてきますが、症状が長期にわたる場合は他の要因も考えられるので精査が必要になります。