投稿日|2019.8.2
示談書を作る時の注意
十分に話し合ったうえで納得のいく内容を!
・示談書の作成
示談内容に合意できれば同じものを2通作成して
加害者・被害者が署名、捺印した上でそれぞれが保管します。
とくに書式はありませんが、通常保険会社が用意している定型のものを
使うといいでしょう。
公正証書にしておくと示談金の不払いや約束違反があった場合に
支払いを確保(強制執行で取り立てが可能)できます。
・示談書の記載項目
加害者・被害者・自動車保険者/事故の日時と場所/
加害車両と被害車両の車種及び車両番号/被害状況/
示談内容と支払い方法/示談書の作成年月日
・請求権放棄条項
「(被害者は)その余の請求を放棄する」等の記載がなされます。
・清算条項
「本示談書に定めるほか、当事者間に何らの債権債務のないことを
確認する」等の記載がなされます。
・権利留保条項
示談書作成後に後遺症が発生した場合にそなえて
追加請求ができることを明確にします。
「万一後遺症が発生した場合は、その損害につきあらためて協議する」等。
※示談時に全く予想できなかった後遺障害については
示談成立後も請求できることがありますが
早期解決目的にも資するため、「保留条項」を入れることが
実務上よく行われています。
・支払確保の条項
通常は任意保険会社が支払いを担当することになるので
問題ありませんが、支払期日と遅滞した場合の定め(示談金の
分割払いの場合の期限の利益喪失の約定)をしておくのがよいでしょう。
「甲が前条の支払いを怠ったときは、甲は、乙に対し、第○条の金員から
既払金を控除した残額及びこれに対する平成○年○月○日から支払い済みまで
年○%の割合による遅延損害金を直ちに支払う」等の記載がなされます。
なお、加害者(任意保険会社)からの治療費の支払いが途中で止まり
被害者がその支払いをしていない場合に未払い治療費をどちらが支払うかは
明確にしておく必要があります。
被害者は、示談交渉が終わっても金銭の受領が済むまでは
領収書を出したり示談書の中に
「領収済み」などの文言を入れないようにするのが賢明です。
また、加害者の加入保険の内容損害賠償を支払うだけの資産の有無を
確認しておくことも大切です。
たとえ賠償金額は譲歩しても示談を成立させる方が
被害者が不利益にならない場合もあります。
そのあたりの判断は専門家に相談するのがいいでしょう。