投稿日|2017.12.28
交通事故で被害を受けたら、損害賠償の支払いを受けることになりますが、それはあくまで事故による
損害金額が決まってからです。 しかし、ケガで入院したり治療を受けた場合には、とりあえずその分だけでも
治療の経過に応じて途中で請求することができます。
*損害額確定前に、治療経過に応じた請求もできる
損害賠償については、ケガが治るなど、事故による損害額が確定してからでないと最終的な損害金の請求を
することができません。けれども、損害金のうち治療費・付添看護費・入院雑費・通院交通費・休業損害については、
治療の経過に応じて、その途中で請求することもできます。
損害金については、⓵加害者に直接支払ってもらう場合と、⓶保険会社が支払う場合があります。
*治療費などを加害者が直接支払うときには
加害者側に誠意があり、加害者の方で入院の費用を含めて治療費・付添看護費・入院雑費・通院交通費などの費用を
支払ってくれる場合には、被害者は余計な出費をしなくて済みます。
加害者(被保険者)が、被害者に対して損害賠償金を支払った後に、加害者の方で支払った範囲内で、保険会社に対して
保険金の請求をする方法があり、これを加害者請求といいます。
ただし、この場合には、被害者自身の出費ではないため、被害者の側で自由診療や過剰診療のように高額な診療を受けてしまう
可能性があり、加害者が後日、被害者のために支払った費用全額を保険会社に請求しても、請求金額の一部しか支払ってもらえない
こともあり、そうなると、加害者に必要以上の負担になります。
被害者のほうから、この加害者請求という方法による支払いを求めることもありますが、加害者の側で直接支払う場合には、
内容をよく調べて、当座の確実な出費に対して支払えばよいでしょう。
*自賠責保険の支払い限度は傷害で120万円、死亡は3000万円
・自賠責保険・・・仮渡金 死亡またはケガによって11日間以上の治療が必要な被害者で、加害者から損害賠償の支払いを
受けていない場合、当座の医療費、生活費、葬儀費などの費用にあてるため被害者の請求で支払われる
保険金(治療期間が10日以下の場合は対象外)。 被害者1名につき、平成3年4月1日以降の事故
の場合、死亡290万円、ケガはその程度によって40万円、20万円、5万円の3段階となっている。
内払金 傷害事故で治療が長引き、全体の損害額が確定しないような場合、被害者もしくは加害者の請求により、
それまでに確定した損害が10万円を超えたときに内払いとして支払われる保険金。
被害者請求の場合、被害者が仮渡金の支払いを受けていたり、加害者側から受領していれば、その受領額は
差し引かれる。また自賠責の法定限度額である120万円の範囲内であれば、重ねて請求することができる。
なお、内払金は死亡や後遺障害に対しては適用されない。
・任意保険・・・治療費 被害者が通院する病院に対して直接支払われたり、健康保険を使った場合、健康保険組合に対して支払われる。
治療費・付添看護費・
入院雑費・通院交通費 被害者の請求により、適宜支払われる。なお、被害者が健康保険を使用した場合、病院の窓口で、
社会保険については2割分、国民健康保険については3割分相当の支払いをするが、この分も保険
会社に対して請求することができる。
休業損害 自営業の被害者が、ケガのため休業したことにより発生した損害を、休業期間に応じて内金として支払われる。