投稿日|2019.8.6
むち打ち症は?
痛みが残る時は後遺障害を認めてもらいたい
むち打ち症は医学的に定義するのが難しく
首から背骨にかけての一種の神経症状だとされています。
レントゲンにも映らず辛い症状が何年も続きます。
治療が長期化するので一般の傷害事例と同じように扱うのが難しく
後遺症としても特殊で補償期間が不明瞭になりがちです。
・後遺障害等級
後遺障害等級表には「むち打ち症」という言葉は出てきません。
12級(13号)や14級(9号)の神経障害・神経症状がむち打ち症に
該当するとされており、そのうち実際に認定されるのは14級がほとんどです。
また、非該当の判断がなされることも多々あります。
※等級表では神経系統の傷害には次のような表記もあります。
・7級(4号)…「神経系統の機能または神経に障害を残し
軽易な労務以外の労務に服することができないもの」
・9級(10号)…「神経系統の機能または精神に障害を残し
服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」
・むち打ち症による逸失利益
前記の通り、むち打ち症が12級または14級に該当する場合であっても
その労働能力喪失期間は制限され、およその目安は次の通りになっています。
等級12級…労働能力喪失率14%…労働能力喪失期間10年程度※傷害の内容による
等級14級…労働能力喪失率5%…労働能力喪失期間5年程度
これはむち打ち症などの神経障害はこの程度の時が経過すれば
治癒していくことが医学的に一般的な知見であることに基づいています。
(例えばむち打ち症で後遺障害12級と認定された場合には
労働能力の喪失率は14%として約10年分の逸失利益と慰謝料を
請求できることになります。)
痛みが辛い場合は、後遺障害として認めてもらえるように
医師に相談してみましょう。
また低い等級や認定期間に納得がいかなければ
不服申し立てをすることです。