投稿日|2018.9.27
交通事故の類型別による被害者と加害者との過失割合は、これまでの裁判例の集積などにより、おおむね決まっています。
交通事故の類型は数多くありますので、交通事故の類型を種類ごとに分けて、その主なものを例示して過失割合を説明します。
*過失割合の表の読み方と用語の使い方
・過失割合についての文献
過失割合について解説している「文献」としては、次のようなものがあります。
東京地裁民事交通訴訟研究会編著「民事交通訴訟における過失相殺率等の認定基準」
公益財団法人日弁連交通事故相談センター編「交通事故損害額算定基準」(通称「青い本」)
公益財団法人日弁連交通事故センター東京支部編「損害賠償額算定基準」(通称「赤い本」)
ここでは、 の通称「青い本」に基づいて過失割合について説明します。
加算要素・・【夜間】 歩行者の存在が予想される午後9時、10時ごろまでを想定しており、人の通行が通常は予想されないような
午前2時、3時ごろに発生した事故については、もう少し大きく加算される余地があります。
【幹線道路】 歩車道の区別があり、車道幅員がほぼ14m以上で、車が高速で走行しているのが通例で、通行量の多い国道や一部 の県道のような道路を想定しています。
【直前・直後の横断】 歩行者が、車両の直前や直後を横断することです。路地からの飛び出しや渋滞車両間からの飛び出しもこ れに当たります。
減算要素・・【幼児・児童・老人】 「幼児とは、ほぼ6歳未満の者」を、「児童とは、ほぼ6歳以上13歳未満の者」を、「老人とは、ほぼ
65歳以上の者」をそれぞれ想定していますが、必ずしも厳格に適用されるものではありません。
【集団横断】 集団登校のように、数人が同様な行動をとっていると見られる状態にあることです。
【重過失・著しい過失】 重過失とは居眠り運転、酒酔い運転、無免許運転、30㎞以上の速度違反など悪質な違反をともなう過 失であり、著しい過失とは、これより程度の低い脇見運転など前方不注意視の著しい場合、酒気帯び運 転、著しいハンドルやブレーキ操作の不適切などの過失、15~30㎞未満の速度違反のことです。