投稿日|2018.11.12
はじめに
腓骨筋腱は基本肢位(90°直角)では後方に125°の角度をなし、足関節最大背屈位では90°に走ります。
つまり腓骨筋は筋力が強大なうえに腱が長く、急激な方向転換に迫られる機会が多くなります。
そのうえ常に外果(くるぶし)へ押し付けられる力が働くため、この腱にはすごく負担がかかります。
外果後方で起きる炎症を腓骨筋腱炎といいます。
原因は?
外傷後によるものでは踵骨(かかとのほね)の骨折の変形治癒後、足関節捻挫後の関節の不安定性によるもの、があります。
またスポーツや歩行によるオーバーユースも原因と言えます。
診断は?
腓骨筋腱の圧痛、背屈・外反時に抵抗を加えたときの腓骨筋腱の痛み、外果後方の腫れ、などがあれば診断できます。
また症状だけでみれば腓骨筋腱脱臼と似ていますが、腫れの程度、痛みの程度が違います。
腓骨筋腱炎では腓骨筋腱脱臼よりも腫れも痛みも軽度になります。
症状は?
スポーツ後や長時間歩行後に外果後方が痛くなったり、腫れたりします。
治療は?
疼痛緩和を目的に消炎鎮痛剤、電気治療をします。痛みの強いときはステロイド剤局所注射をします。
足関節不安定症が原因の場合はテーピングをします。また腓骨筋腱の負担を軽減させるため足底板治療をすることもあります。
また外傷後が原因でこれらの治療が無効な場合は手術をおこなうこともあります。
わからないことがあればスタッフまでお気軽にご質問ください。