投稿日|2018.12.18
上肢を使うさまざまなスポーツ動作によって、肩関節には衝突、牽引、摩擦などの繰り返すストレス(オーバーユース)が加わり、筋、腱、靭帯、関節包、関節唇、軟骨に障害をきたします。投球障害肩とは、投球動作によって発生する肩関節の障害の総称を言います。
<それぞれのフォームの時期に起こる障害の種類>
・コッキング後期の痛み
前方不安定症、インピンジメント症候群、各筋の付着部炎・損傷、ベンネット病変
・加速期の痛み
インピンジメント症候群、腱板炎、肩甲下滑液包炎
・減速期の痛み
腱板不全断裂、スラップ損傷
・フォロースルー期の痛み
後方不安定症、後方関節唇損傷、肩甲上神経麻痺、ベンネット病変
投球障害肩の種類はたくさんあり、いくつか少しずつですが紹介していきます。
・スラップ損傷
スラップ損傷は、上腕二頭筋長頭腱と関節唇が付着している骨から剥がれたり切れたりすることで、コッキング期からフォロースルー期に疼痛や引っかかり感を認めます。
・肩関節不安定症
不安定症には、コッキング期に繰り返される前方ストレスで生じる前方不安定症と、フォロースルー期の繰り返される後方ストレスで生じる後方不安定症があります。どちらも肩関節を包んでいる関節包が投球動作により緩んでしまい痛みが生じます。また肩関節不安定症があると、そのほかの投球障害を引き起こしやすいと言われています。
・インピンジメント症候群
インピンジメントとは、コッキング後期に肩の骨と筋肉が衝突する現象を言います。さらに投球により衝突が繰り返されると腱板断裂(主に棘上。棘下筋)を引き起こします。症状としては、コッキング後期で肩の後方、もしくは内部痛を認めます。
・ベンネット病変
長年の投球動作の繰り返しによって、上腕三頭筋の牽引により付着部である肩関節の骨の後下方の骨のとげが生じます。症状は、コッキング期やフォロースルー期で痛みを生じます。
・リトルリーグショルダー(上腕骨近位骨端線離開)
成長期(8~15歳)には骨端線という骨の成長を司る軟骨層があり、この間に無理な投球を繰り返すことにより骨端線が離れてしまう障害です。症状は投球動作による骨端線全周にわたる痛み、肩の全方向の運動により痛みが誘発されます。
治療法として、電気治療、湿布、消炎鎮痛剤の服用、疼痛を取るため投球の禁止や肩の周りの筋肉の強化、ストレッチ運動などの保存療法が選択されます。それでも症状に変化がなければ手術を行うこともあります。そして、コンディショニングを改善し正しい投球フォームを身につけることも大切です!!!
不明な点等ございましたらお気軽にスタッフにご相談ください。