投稿日|2018.3.17
事業所得者とは商業、鉱工業、農林水産業、その他の自由業者をいいます。
自由業者とは報酬、料金または謝金で生計を営む者で、例えば開業医、弁護士、著述業、プロスポーツ選手、芸能人、芸術家、
保険代理店、歩合制の外交員、その他これに準ずる者です。
*個人事業者は事故前年の確定申告所得で算定
上記のような個人事業者の場合には、原則として事故前年の所得税確定申告所得を基準に休業損害を算定します。
個人事業者に収入があれば、税務申告をしているはずですから、事故前年の所得税確定申告所得を基準にして、収入を365日で
割れば1日当たりの金額が算出できますので、この金額に休業日数をかければ、休業損害が算定できます。
なお収入が、年度により必ずしも安定していない場合には、過去数年分の平均所得額を基準に算定します。
確定申告をしていなかった場合でも、相当の収入があったものと認められるときは、賃金センサスの平均賃金を基準に休業損害を
算定することもできます。
また、確定申告をしていても、過少申告のために実際の収入が申告所得よりも多いと認められる場合は、賃金センサスの平均賃金を
基準に休業損害を算定する例もあります。
*収入の減少額の把握が難しい場合の算定法
商業、鉱工業、農林水産業の従事者およびその家族従業員の場合・・過去1年間の収入額から、必要経費分を控除して、被害者本人の収入
に対する寄与率を考慮して、365日で割って平均日額を基に算定。
自由業者の場合・・過去1年間の収入から、必要経費分を控除して、365日で割って、平均日額を算定。
※代替労働力、固定経費、不法な手段
・代替労働力を利用して収入を維持した場合は、それに要した必要かつ妥当な費用額が休業損害として認められます。
・事業を営むには、家賃や従業員の給与、租税公課、損害保険料、減価償却費、利子割引料などの固定経費が必要ですが、
休業中にも必要となるこれらの固定経費については、相当性がある限り休業損害として認められます。
・ただし、無免許あるいは無許可営業のように、不法な手段による営業収入については休業損害は認められません。